【第115回】体幹系トレーニング実施の際の3つの注意点

前回の記事では、体幹系トレーニングを実施する目的を紹介しました。

今回は体幹系トレーニングをトレーニングに取り入れるときの、より細かい注意点を紹介します。

体幹系トレーニングを実施する際の3つ注意点

体幹系のトレーニングを実施する際には、以下の3つに気をつける必要があります。

①どの方向の負荷をかけるのかを考える

②フォームに注意する

③漸進性過負荷をかける

①どの方向の負荷をかけるのかを考える

下半身のトレーニングには、お尻を中心に鍛える種目、モモ裏を中心に鍛える種目などがありますよね?

それと同様に、体幹部のトレーニングでも種目によって鍛えることができる部位が変わってきます。

大きくカテゴリ分けをすると、以下の画像のような4つに分けることができます。

前回の記事でも紹介した通り、この中でも体幹部背面の筋力はフリーウエイトでの基本的な下半身トレーニング(スクワットやデッドリフト、RDLなど)で鍛えることができるので、わざわざ個別で鍛える必要性は低いと考えれれます。

(言い換えれば、下半身のフリーウエイトトレーニングも体幹トレーニングの一種とも言えます)

その他3つの部位はフリーウエイトでの基本的な下半身トレーニングではトレーニング刺激が小さいと考えられるので、個別に鍛える必要がありそうです。

②フォームに注意する

ものすごく当たり前の話ですが、体幹系のトレーニングを実施する際にもフォームに気をつかわなければいけません。

今回は特にポピュラーな体幹部前面のエクササイズについて解説していきます。

上の図でも挙げた『フロントブリッジ』(プランクとも呼ばれています)は、代表的な体幹部前面のトレーニングです。

しかしながらポイントを意識しなければ、トレーニング効果が得られないだけでなく怪我のリスクにもなり得ます。

意識すべきポイントは、とにかく実施中にお尻を締めることです。

図で解説をしている通り、お尻を締めることで骨盤が後傾します。

それによって腰椎(椎間関節)のぶつかりが小さくなり、関節のストレスも少なくなり、腹筋への負荷もしっかりと入るようになります。

逆にお尻の力が抜けてしまうと、腰椎(椎間関節)同士のぶつかりが強くなってしまい、関節のストレスが増える上に腹筋の力が抜けていても支えられてしまいます。

これらの理由から、姿勢をキープするような種目(フロントブリッジやアブローラーなど)では、とにかくお尻を締めることを推奨します。

試しに背中にプレートを乗せてみてもらうと分かりますが、ある一定の重さを超えるとお尻の力が抜けてくるでしょう。

これは腹筋の筋力だけでは支えられなくなったため、腰椎のぶつかりにも頼るようになった結果だと考えられます。

また、これは腕立て伏せにも同様のことが言えます。

腕立て伏せはフロントブリッジの姿勢でベンチプレスをするような種目なので、体幹部と上肢を同時に鍛えことができるエクササイズとも言えます。

一方で上の図で紹介したデッドバグなど、股関節を大きく動かす種目では、お尻を締めっぱなしにするのは難しいです。

そういった種目を実施する場合は、例えば細く丸めたタオルを腰の下に横から入れて、それを引っ張られても抜けないように腰をつぶしておく、というのも良いかもしれません!

③漸進性過負荷をかける

これもものすごく大事なことですが、漸進性過負荷をかける(=負荷を増やしていく)ということも非常に大事です。

トレーニングはそもそも身体を強くしていくことが大きな目的の1つですし、トレーニングの5原則の1つに『漸進性』が挙げられます。

より強い身体を手に入れるためにも、負荷にある程度慣れたらどんどん負荷を上げていきましょう。

単純なフロントブリッジであっても、背中に重りを乗せたり、ペアに腰を上から押してもらえば負荷を高めることができます。

高校~大学の男子アスリートであれば、ある程度の期間トレーニングを積めば、自分と同じ体重の人を腰に乗せた状態で30秒キープくらいはできるようになるはずです。(もちろんお尻を締めたまま!)

女子選手であっても、30~40㎏程度であれば、きちんとトレーニングを積めば腰に乗せられるようになります。

まとめ

体幹系のトレーニングを実施する際には

①どの方向の負荷をかけるのかを考える

②フォームに注意する

③漸進性過負荷をかける

といったことに注意しましょう!

もちろん、下肢のトレーニング、上肢のトレーニング、体幹部のトレーニングとある中でのピースの1つにしか過ぎません。

全身バランス良く負荷を上げていって、競技に活きる強い身体を作っていきましょう!

執筆者:佐々部孝紀(ささべこうき)


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