【第88回】フロントスクワットでどの筋に負荷がかかるかなんてフォーム次第~胸を立てる3つの戦略

フロントスクワットvsバックスクワット

この比較は研究上でもよく行われていますし、トレーニング指導者の方もSNSやブログで自身の考えを発信されていることも多いです。

「フロントスクワットはバックスクワットよりもモモ前に効くんだ!」

「フロントスクワットはバックスクワットよりも重りが前にある分、お尻ー重りのモーメントアームが長くなるからお尻のトレーニングに最適なんだ!」

色んな意見、時には逆の意見を機聞くこともありますが、いったいどっちが本当なのでしょうか?

ぶっちゃけそんなのフォームによります

なのですが、それで終わらせるのももったいないので、どのようなフォームだとどうなるのか?について考えていきます。

フロントスクワットの特徴

フロントスクワットはバックスクワットと違い、胸を立てないとできない種目です。

もちろん、「バックスクワットのときに胸を下に向けて猫背で行ってもいいよ!」というわけではないのですが、
フロントスクワットは胸を立てざるを得ない一方で、バックスクワットは胸を立てなくてもできるっちゃできちゃいます。

(良いフォームじゃありませんが⚠)

フロントスクワットの場合、特に重量が増してくると、「手で持つ」というより、「肩に乗せる」必要が出てきます。
そのときに必然的に胸を立てるということも伴うんですよね。

こちらのSquat Universityさんの動画が分かりやすいです↓

https://twitter.com/SquatUniversity/status/1052004732703772673

そして「胸を立てる」には、大きく分けて3つの方法があるんです。

胸を立てる3つの方法

胸を立てる方法は3つあります。

①体幹部全体を立てる

②胸椎の伸展で立てる

③腰椎の伸展で立てる

です。

①体幹部全体を立てる

これが1番簡単な方法で、多くのトレーニング初心者がなってしまうフォームです。

この図は少しおおげさになっていますが、このフォームに近い形で行うと、重りと股関節の水平距離が近く、一方で重りと膝関節の水平距離が遠くなる分、臀部への負荷は弱く大腿四頭筋への負荷は大きくなります。

「大腿四頭筋をとにかく肥大させたい!」という人はこのフォームが理にかなっているかもしれませんが、僕自身はアスリートに対してあまりこのフォームはおススメしていません。

②胸椎の伸展で立てる

①よりも股関節を屈曲する分体幹部は前傾してしまいますので、そのままだとバーが落ちてしまいます。
そこで胸椎の伸展で胸を立てることによって、肩にバーベルを乗せることが可能です。

アスリートにはこの形で行うことをいつも推奨しています。

次に挙げる③よりも腰部へのストレスは小さいと考えられ、なおかつ臀部にしっかり負荷をかけられるからです。

またフロントスクワットをこのフォームで行うことで、胸椎まわりのモビリティや筋力を獲得することも可能です。

経験上、このフォームでフロントスクワットを習得すると、バックスクワットを実施するときのフォームも良くなることも多いです。

③腰椎の伸展で立てる

②と同じく股関節を屈曲、体幹を前傾したうえで胸を立てるのですが、胸椎のモビリティ・腰部のスタビリティが不足するとこのようなフォームになってしまうことが多いです。

これも僕自身の経験になるのですが、このフォームで行ってしまうとスクワット中に腰が痛くなることが多いかも。

②のフォームで行うためには?

②のフォームが理想と言いましたが、意識するだけでは習得できないという選手は身体的な問題(柔軟性や筋力)があるかもしれません。

以下の要素を獲得すれば、②のフォームで実施できるようになると思われます。

・股関節の屈曲可動域

・腰部のスタビリティ

・胸椎のモビリティ、筋力

もちろん逆に②のフォームのフロントスクワットを行うことで、これらの要素を獲得していける、という側面もあります。

ただ、意識して行ってもなかなかフォームを獲得できない場合は、アップやセット間レストでちょっとしたエクササイズをはさむといいかもしれません。

※エクササイズ例

股関節の屈曲可動域→臀部・ハムのフォームローリング・ストレッチ

腰部のスタビリティ→フロントブリッジ(プランク)

胸椎のモビリティ→ブリッジ

また、そもそもその前にRDLなどでハムストリングの柔軟性、股関節の屈曲可動域を獲得しておくこともおススメです。

まとめ

フロントスクワットのフォームの違いによる、かかる負荷の違いについてでした。

同じエクササイズでも意識、フォームで得られる結果は大きく違ってきます。

最短で最大の効果を得たい場合は、やっぱりトレーニング指導者に直接指導してもらうのが良いですが、今回の記事はそれが難しい人のヒントになれば!

執筆者:佐々部孝紀(ささべこうき)

 

 


今日は初めてBリーグの試合(千葉vs新潟)を観戦に行きました!

以前早稲田のバスケ部で指導していた#18森井がいるので新潟を応援していたのですが、惜しくも敗れてしまいました。。

でも演出もすごく、非常に楽しい空間でした!

また見に行きます!

 

 

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