【第131回】カフェインの副作用を知っておく~不眠だけには留まらない?その対策とは?

『カフェイン』

おそらくドーピングの非禁止物質においてこれだけパフォーマンスを向上させるものはなかな無いでしょう。

以前のブログでも(【第100回】《まとめ》アスリートのカフェインとの上手な付き合い方~効果と注意点~

☑カフェインは認知機能を高める

☑カフェインは筋力、筋持久力、持久力を高める

☑カフェインには利尿作用があるが、通常の摂取量であればそこまで心配なし?

☑午後のカフェイン摂取は入眠を阻害する可能性あり

ということを紹介しました。

上記に挙げた通り、良く知られる副作用として『睡眠の阻害』が挙げられます。

カフェインは摂取後6時間以上も覚醒水準を高め、入眠を阻害することが知られています(Drake et al., 2013)(2)。

そういったこともあり、WADA(世界アンチドーピング機構)では禁止物質ではないにしろ、監視対象物質として2020年のリストでもカフェインを挙げています(こちら)。

今回は良く知られる『睡眠の阻害』以外のカフェインのデメリットをいくつか紹介していきます。

長期的なトレーニング効果のエビデンスはない?

摂取後のパフォーマンス向上に関しては数多く研究されているカフェインですが、実は長期的なトレーニング効果に関する研究はあまり見当たりません。

実際、2019年のカフェインとウエイトトレーニングに関するレビュー論文(3)においても、証明されているカフェインの効果は短期的なものに留まっており、ヒトを対象とした筋力向上や筋肥大への長期的な効果を報告した研究はないとされています。

しかしながらカフェインには筋力・筋持久力向上の効果があるので、長い目で見た筋肥大にも貢献しそうですよね。

一方、ホルモン応答に関連して言えば、筋肥大にはマイナスにもなり得ます。 続きを読む 【第131回】カフェインの副作用を知っておく~不眠だけには留まらない?その対策とは?

【第130回】『筋肉』を単体で鍛えても意味がないというのはホンマかいな

”筋肉ではなく、動作を鍛える必要がある”

という意見を聞くことも。

僕自身この考えについては同意する部分ももちろんあります。

一方でどんな場合にもその考えを適応して、『競技動作とまったく違う動きをするトレーニングはするべきではない』なんて極端な意見になるのはよろしくないとも思っています。

今回は動作を鍛える必要性を示唆する研究と、動作が全く異なっていても競技力・身体能力向上に繋がる場合もあるということを示した研究をそれぞれ紹介します。

スクワットvsレッグプレス

スクワットもレッグプレスも、ともに膝関節・股関節の伸展筋群を強化することのできる運動です。

その2つの大きな違いは、スクワットでは体幹部で重りを支えた状態で(=体幹の筋群も力を出した状態で)下半身の運動を行うということです。

実際にこの2つのトレーニングをそれぞれ実施した場合の、ジャンプ力向上への効果を検証した研究では以下のような結果が示されました。 続きを読む 【第130回】『筋肉』を単体で鍛えても意味がないというのはホンマかいな