【第117回】トレーニングは地面と重力と知識があればできる①筋力を維持するためのトレーニング

外出の自粛、ジムの休業ということもあって、普段ウエイトトレーニングを実施しているアスリートであっても今はトレーニングの器具が使えないという状況の方は多いと思います。

そんな状況でもできるトレーニングといえば、『自重トレーニング』ですよね。

SNS上でも「自重トレーニングって十分な負荷がかけられるんですか?」といった質問をいただくことも多いです。

正直、普段ウエイトトレーニングでしっかりと負荷をかけているアスリートにとっては、自重トレーニングでは得られる負荷は小さくなるかもしれません。

しかしながら工夫をすることで、自重トレーニングでもある程度の負荷はかけられます。

筋力維持に必要な強度、筋肉量維持に必要な総負荷

まずは総負荷=強度×量

という関係性については知ってください。

結論から言うと

🔻筋力の維持・向上にはある程度の強度が必要

🔻筋肉量の維持・向上には総負荷が必要(強度が低くても量が多ければOK)

です。

以下はトレーニングのレベル別の、トレーニング強度(横軸)と効果(縦軸)の関係性です。

2つのメタアナリシス[1,2]を合わせてグラフを作成しました。

青:トレーニング初心者
緑:トレーニング経験者
赤:アスリート

この図からもわかるように、トレーニング初心者であれば強度が低くても筋力は向上するものの、アスリートやトレーニング経験者であればある程度高い強度が求められることが分かります。

総負荷を高める工夫

トレーニングの総負荷を高めるためには

・強度を高める

・量を多くする

のどちらかをする必要があります。

単純に高ボリュームのトレーニング(プッシュアップ100回やスクワット100回など)をすれば、量の増加⇒総負荷の増加⇒筋肉量の維持・向上につながります。

一方で、筋力を維持・向上させるには、特に高い強度が求められるアスリートの場合は様々な工夫が必要です。

具体的には以下のようなものが挙げられます。

・片脚で実施する

・爆発的に挙上する(ジャンプしちゃう)

加えて、もしもあるのであればエクササイズ用のバンドなど、道具で負荷をかけるというのもアリです。

https://twitter.com/tyr7bbb/status/1244819274310406144?s=20

両脚のエクササイズよりも片脚のエクササイズのほうがかかる体重が多くなるので、強度が上がって筋力向上に適しているのは分かると思いますが、

ジャンプする=筋力ではなくパワーの向上になるのでは?

と思った方もいるかもしれません。

しかしながらジャンプをするということはそれだけ速く挙上している
⇒大きな加速度が必要
⇒大きな力を出している
ということになるので、パワー増加と同時に筋力向上にもつながると考えられます。

実施、『通常の腕立て伏せ』vs『腕立て伏せからのジャンプ』のトレーニング効果を比較した研究[3]では

チェストプレスの1RMが
通常の腕立て伏せ⇒2.70㎏の増加
腕立てジャンプ⇒4.17㎏の増加
と、有意ではないもののジャンプをしたほうが筋力の増加が大きかったことが示されています。

もちろん、パワー(MBの両手パスの距離)は腕立てジャンプのグループのほうが有意な増加がみられたので、筋力もパワーも向上できて一石二鳥ですね!

また上半身のトレーニングに関しては、腕立て伏せ以外にも逆立ちでの腕立て伏せや、バンドがあればそれを用いたローイングなどもおすすめです!

まとめ

🔻総負荷=強度×量

🔻筋肉量を維持・向上させるには総負荷を高める(単純に高回数のトレーニングでOK)

🔻筋力を維持・向上させるには強度を高める(片脚での実施、ジャンプをする、あればバンドなどを活用)

活動を停止しているチームがあったり、普段トレーニングをしている場所が閉鎖されたりと大変な情勢ではありますが、まずは健康、安全が第一です。

家にいててヒマという声も聞こえてきそうですが、もう家にいるだけで皆さんえらいです。

記事にある通り、地面と重力と知識があれば身体は強くできます。

今回紹介したエクササイズを実践して身体を強くするもよし、そのための知識の獲得のためこのサイトの過去記事を読み込むもよしです。

みんなでこの大変な時期を乗り越えましょう!

執筆者:佐々部孝紀(ささべこうき)


参考文献

1. Peterson, MD, Rhea, MR, and Alvar, BA. MAXIMIZING STRENGTH DEVELOPMENT IN ATHLETES: AMETA-ANALYSIS TO DETERMINE THE DOSE- RESPONSE RELATIONSHIP. J Strenght Cond Res 18: 377–382, 2004.
2. Rhea, MR, Alvar, BA, Burkett, LN, and Ball, SD. A meta-analysis to determine the dose response for strength development. Med Sci Sports Exerc 35: 456–464, 2003.
3. Vossen, JF, Kramer, JE, Burke, DG, and Vossen, DP. Comparison of Dynamic Push-Up Training and Plyometric Push-Up Training on Upper-Body Power and Strength. J Strength Cond Res 14: 248–253, 2000.

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。