筋力はアスリートにとって非常に重要な要素ですよね。
スプリントスピード向上やジャンプ力向上においては、下肢の最大筋力向が果たす役割は大きく(7)(3)、筋力を向上することで傷害の予防効果もあることが証明されています(4)。
そこで筋力を向上させるためにどうするかを考えたとき、筋力向上に寄与する要因をそれぞれ考えていく必要があります。
筋力を高める3つの要因
まず1つ目は『筋断面積』
筋肉が太ければ太いほど大きな力を出すことができます。
ウエイトトレーニングの長期介入においても、筋断面積の増加が大きいほど筋力も向上していることが報告されています(1)。
筋断面積の増加は、回復の出来る範囲で高ボリュームのトレーニングを実施し、十分な栄養を摂取することで達成されます。
2つ目は『神経の機能』
中枢神経からの命令で筋は収縮するので、その命令が大きくなったり、命令の頻度が増加すれば出せる力は大きくなりますよね。
ここを強化するには低負荷の高ボリュームのトレーニングよりも、しっかりと高い強度(重さ)でトレーニングをする必要があります。
トータルの負荷(強度×回数)をそろえたトレーニングでも、強度(重さ)を高めに実施したトレーニングのほうが筋力が向上したという報告もあり(6)、それは神経の機能の改善によるものだと考えられます。
また、カフェイン摂取で筋力が向上するのはこの中枢への作用によるものだと言われています(8)。
3つ目は『筋線維組成』(速筋と遅筋の割合)
速筋、遅筋見分ける方法、定義づけとしては複数の方法がありますが、ミオシンの酵素活性の違いから判別したり、ミオシン重鎖のタンパク質のタイプから分類する方法が一般的です。
それらの方法では
Ⅰ⇒遅筋
Ⅱa⇒中間筋
Ⅱx、Ⅱb⇒速筋
と分類されます。
ここでして欲しくないのが、『速筋は収縮スピードが速い筋肉で、遅筋は収縮スピードの遅い筋肉。重さを扱ったスクワットはゆっくりだから、遅筋が鍛えられる』という勘違い。
速筋は速い収縮が可能なだけでなく、強い収縮が可能な筋肉です。 続きを読む 【第127回】速筋/遅筋の割合は変化する?基本を知って一歩進んだトレーニングプログラムを!