【第74回】左右差はパフォーマンスに影響を与えるのか?①

下肢の筋力の左右差については様々な議論が行われています。

「そもそも競技の中での使われ方に左右差があるから自然なものだろ」

「いや、左右差があることで荷重が偏って怪我をするんじゃ」

「その左右差がパフォーマンスに最適なんじゃない?」

などなど。。

いろんな議論があると思いますが、とうりあえずは「測ってみたら実際どうなのか」ということをベースに話を進めたほうが良いでしょう。

実際に測ればある程度分かることを永遠に想像で議論することほど無駄なことはないですよね。

競技パフォーマンスの測定そのものは難しいですが、体力測定の項目であれば簡単に測定できます。

本日は下肢の筋出力の左右差とジャンプ力の関係性についての研究をご紹介します。

Bilateral Asymmetryと両足ジャンプ能力の関係性

Baileyら(2013)は大学男子アスリート36名を対象にBilateral Asymmetry(両足で力発揮をしたときの左右の出力の違い)とジャンプ高の関係性について調べました。

Bilateral Asymmetryは下の図(Bailey 2013より)のように、2枚のフォースプレートに左右それぞれの足を乗せた状態でミッドサイプルを行ったときの発揮した力の違い(%)で表されています。
つまり0%だときっちり左右対象の出力、数値が大きくなると左右差が大きいということです。

 

その結果、被験者全体の平均の左右差は6.6%±5.1%

そしてミッドサイプルのときの左右差の%とジャンプ高の間に有意な相関が認められました。
SQJ-左右差の%:r=-0.52
CMJ-左右差の%:r=-0.47

つまり、左右差が大きかった選手ほどジャンプ力が低かったという結果が得られました。

この研究から、両脚での力発揮のパフォーマンスにおいては下肢の出力の左右差があると不利であるということが推測されます。

そのためスキージャンプやバレーボールなど両足でジャンプをする競技、もしかしたらウエイトリフティングのような競技でも、両脚での力発揮時(スクワットやデッドリフトのトレーニングのとき)の左右差には気を配ったほうがいいのかもしれません。

(厳密にはバレーボールのジャンプでは両脚均等に出力はしないと考えられますが。。)

しかしこの研究だけでは

・両足ジャンプのような課題ではなく、スプリントやアジリティなど、片足で出力するようなパフォーマンスの場合はどうなのか?

・Bilateral Asymmetry(両足で力発揮したときの左右差)はUnilateral Asymmetry(片足で力発揮したときの左右差)と一致するのか?

といったことは分かりません。

 

次回の記事ではそのあたりも掘り下げていきましょう!

執筆者:佐々部孝紀(ささべこうき)

 


今回は下肢の出力の左右差についての記事でした。

実はちょうど先週、JISSでの実験の被験者として僕自身のジャンプ中のキネティクスについて分析してきてもらいました(笑)

その結果の図を載せておきます。

やはり左右差がありますね。

今回紹介した研究は観察研究(左右差をなくした結果、ジャンプ力が向上しました!という研究ではなく、ただ傾向を分析しただけの研究)ですので、断言はできませんが、この左右差をなくすことでもっとジャンプ力は上がるかもしれません。

ジャンプ高は滞空時間法の測定で57.8㎝、ジャンプメーター換算だと70㎝程度?でしょうか。。。低い。。

このデータを元に被験者数1の介入実験を行っていこうと思います!笑

山下さんありがとうございました!


参考文献

Bailey, C, Sato, K, Alexander, R, Chiang, C, and Stone, MH. Isometric Force Production Symmetry and Jumping Performance in Collegiate Athletes. J Trainology 2: 1–5, 2013.

 

 

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。