【第113回】投球系競技の上半身トレーニングの注意点~肩甲骨の動きを知る~

球技種目の中には投球動作を伴うポジションがありますよね。

個人的にも野球選手や、アメフトのクォーターバック(ボールを投げたり他の選手にボールを渡すポジション)の選手の指導をする機会も多く、投球動作をする選手のトレーニングについて考えてきました。

アメフトのクォーターバック(以下:QB)に限らず、野球選手や、やり投げ選手など、投球系競技の選手であれば肩や肘の傷害は怖いですよね。

また、「肩甲骨の動きが大事だ」というのは、野球選手などの投球系種目の選手であれば周知の事実だと思いますが、肩甲骨自体がどのような動きをするのかは説明できますか?

本日は投球系競技の選手がトレーニングを実施する際に注意すべき点について紹介します。

肩の解剖学

まず最初に、投球系競技の競技者であれば、肩の解剖はきちんと把握しておきましょう。

いわゆる肩を使った運動の場合、
『肩甲胸郭関節(胸郭に対する肩甲骨)』の動きと
『胸鎖関節(胸骨に対する鎖骨)』の動き
が合わさって、肩甲骨の動きが出ます(①)
そして『肩甲上腕関節(肩甲骨に対する上腕骨)』の動き(②)が①と協調して働きます。

そしてこの動きのバランスが崩れると、②の負担が増えて怪我の可能性が高まります。

例えば肩全体として100の動きをしていたとしても、①が50、②が50の場合よりも、①が20、②が80の場合のほうが②の負担は増えますよね?(※数値はあくまでもイメージです)

そのイメージを図示したものが以下になります。

右側上段の動きよりも、右側下段の動きのほうが肩甲上腕関節のストレスが少ないのが分かりますよね?

ベンチプレスで肩甲骨を寄せろと言われるのはこういうところからもきていると考えられます。

もちろん肩甲骨はこの内転以外の動きも重要ですし、どんな動きのときも常に肩甲骨を寄せておけという訳では決してありません⚠

しかし怪我(肩関節の前方不安定症、インターナルインピンジメントなど)の発生の機序を考えると、まずは内転方向の動きを獲得することが必要です。

トレーニングの際には
●肩甲胸郭関節を内転すべきときに内転方向にコントロールするように実施すること
●そもそもの内転の可動性があるのかをチェックすること

が重要だと考えれます。

肩甲骨内転可動性のチェック

チェック方法は簡便で、仰向けに寝転んでリラックスした状態で、肩甲骨の後ろのライン(肩甲棘)の外端と地面の距離を測るだけです。

理想は指の横幅で3本以内、2本程度になる程度です。

慣れないうちはペアに測ってもらってもいいかもしれませんが、慣れれば自分の逆の腕の指で測ることも可能です。

リラックスした状態でのアライメント(身体の姿勢)なので、必ずしも動的な可動域とは一致するとは限りませんが、肌感覚としては比較的動的な可動性とも関連はあると感じています。

ローイングなどの引く系の種目にしても、腕立て伏せ・ベンチプレスのような押す系の種目にしてもその実施前にこの可動性をチェックしておくこと、そして可動性が足りないのであれば実施前に改善しておくことを推奨します。

肩甲骨の内転可動性の改善方法

その選手によって内転の可動性を制限している要因は異なると考えられますが、多くの場合小胸筋が関与していることが多い印象です。

これも経験側になってしまいますが、さきほどの肩甲骨の内転可動性チェックで肩甲棘と地面の間が大きく空いてしまっている場合(肩甲骨が外転している場合)でも、小胸筋のセルフマッサージをするだけで1~2横指分改善することも多々あります。

小胸筋のおおまかな場所は、鎖骨の中心から10㎝程度下になります。

ここを自分の逆の手の指で押して腕を前後に振ったり回したりといったものを実施することが多いです。

まとめ

●投球系競技の選手であれば、最低限の肩の解剖学は把握すべし

●肩甲骨(肩甲胸郭関節)には様々な動きがあり、どれも重要だが、まずは必要なときに『内転』をできるように

●内転可動性チェックと、可動性が足りない場合の改善はトレーニング前に実施するべき(投球前のコンディションチェックとしても◎)

特に投球系競技の選手は、自分の肩や肘を守るのは自分の知識です。

是非今回紹介したチェック方法も活用してみてください!

執筆者:佐々部孝紀(ささべこうき)


最近はチームのシーズンオフ、勤務している大学の春休みが重なって、久々にリフレッシュができました。

温泉旅行に言ったり、友人の結婚式がてら大学のみんなで夜通し遊んだりと大学生みたいな生活を。。笑

今月末はセミナーも開催するしチームもシーズンインに向けて始動し始めたので、そろそろ本腰を入れる時期になってきましたが、やっぱり遊ぶときは遊んだほうが仕事も頑張れますね!

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