【第13回】アルコールがアスリートに与える5つの影響

専門性【☆★★】

3月といえば様々なイベントがありますよね。学生で言えば卒業式や卒部式、社会人で言えば送別会。大学以上の世代では、そこで必ずと言っていいほどついてくるのが「飲み会」です。

これもある意味大事な行事ですよね。お酒の席でのコミュニケーションが、チームの結束を高めることもあるでしょう。
いろんな人に支えてもらっているアスリートは、お世話になっている人に誘っていただいた飲み会を断るわけにはいけません。

 

しかし飲み会に参加して、そこでバカみたいに飲みまくって大失態、、、なんてことになったら元も子もないですよね(笑)

そしてアルコールの過剰な摂取は、パフォーマンスにも悪影響を与えることがあります。

 

今日は1つのレビュー論文(M.J.Barnes, 2014)の中から、アルコールがアスリートに与える影響を5つ紹介しようと思います。

 

・脱水

・タンパク合成の低下

・免疫機能の低下

・外傷後の浮腫の増加

・運動後の筋ダメージの増加

 

初めに

アルコールといっても、飲み物によって度数も違うし、身体の大きな人の1杯と身体の小さな人の1杯では違ってきますよね。

論文内では、「純アルコール(g)/体重(kg)」でその与える影響が述べられていますが、

今回の記事においては、

体重70㎏の人が

缶ビールを(350ml)を○杯飲んだとき

に置き換えて説明します。

具体的なグラム数等知りたい方は、是非論文本文をご覧ください!

 

 

脱水

血液を初めとする身体の水分の減少はパフォーマンスに悪影響を及ぼします。

激しい運動で汗をかいた後は適切な水分補給が必要です。

たまに運動後に「今日の運動だけで3㎏も減った!この調子でダイエットがんばろ!」って言っている人がいますが、それは脂肪ではなくほとんど水分です。危ないのでちゃんと水分とってください。

レビュー論文内で紹介されている実験では、缶ビール5杯分のアルコールを超えると、その利尿作用によって水分の再貯蓄が阻害されると示されています。

翌日での水分状態がどうなるかは分かりませんが、特に夏場の暑い日の練習後や、翌日に練習や試合がある場合は、飲み過ぎは控えたほうが無難かもしれませんね。

 

タンパク合成の低下

タンパク質(筋肉や内臓や皮膚)は絶えず身体の中で

合成(同化)+

分解(異化)-

の2つが繰り返され、このバランスによって筋肉が増えたり減ったりします。

ビール4杯分で、異化を促進するコルチゾールの上昇
ビール7杯分で、同化を促進するテストステロンの減少
が認められたようです。

また、摂取量によっては同化を促進する成長ホルモンの減少も認められるようです。

筋トレ後のビールは美味しいですが、飲み過ぎによりせっかくの辛い思いが台無しになる可能性もあるようです…

 

免疫機能の低下

アルコールは摂取するほど、免疫機能に関わる細胞の活動の低下をもたらすようです。

アルコールの取りすぎによって風邪を引いたなんてことがないよう、飲み過ぎや、どこかの駅前の大学生のように飲んだ後に路上で寝転がったりはやめておきましょう。(これは周りの人にも迷惑です笑)

 

外傷後の浮腫の増加

足首の捻挫の後にはくるぶし周りが腫れて、その腫れのせいで「痛み&可動域制限→復帰の遅れ」ってしばしば起こりますよね。

アルコールの血管拡張作用や、外傷後に本来起こるはずの血流制限の抑制により、腫れが増悪する可能性が考えられます。

怪我したときくらいアルコールは我慢しましょう。

 

運動後の筋ダメージの増加

激しい運動後には筋肉はダメージを負っています。アルコールの摂取はそのダメージの増加(or回復の阻害?)を起こし得ます。

激しい運動後にビール5杯分のアルコールを摂取した場合、そうじゃない場合と比べて筋力の低下が大きかったことが示されています。

 

まとめ・補足

運動後のリカバリーや怪我や風邪などの疾患のことを考えると、アルコールの摂取は控えておいたほうが間違いないようです。ただし、これらの研究においてはビール4、5杯分以上のアルコールを摂取しています。

冒頭にも述べたように、付き合いというものもありますので、1~2杯たしなむ程度なら問題はないかもしれません。

 

 

本記事は1つのレビュー論文(様々な研究から、著者の意見をまとめた論文)をもとに記事を書いています。
・直後の反応について述べているけど、翌日以降の反応はどうなの?
・個人間でアルコールの分解能は違うと思うけど、そこに関してはどうなの?
様々な疑問が浮かびますよね。そういうときは
①このレビュー論文を読む
②このレビュー論文で引用されている元の論文を読む
③引用されていない他の論文を読む
知りたい内容が研究されていなかったら
④自分自身で研究機関(大学や研究所)に入って研究をする
等をするしかありません。

このブログの情報がすべてではないので、是非皆さんも自分で情報を探ってみてください!

M.J.Barnes. Alcohol: Impact on Sports Performance and Recovery
in Male Athletes. Sports Med (2014) 44:909–919

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