【第33回】スクワットの深さ①Deep SQのメリット

スクワットの種類

「スクワット」と一言に言ってもいろんなスクワットがあります。

バーベルを持つポジション、降ろす深さ、両脚か片脚か、、、等

今回は「降ろす深さ」に着目していきます。

まず、スクワットには深さ別で最初の画像のような名称があります。

指導者や研究によって使われる名称が違ったりすることもありますが、基本的にはこんな感じです。

大きく分けると、シャロウ(浅め)とディープ(深め)、
さらに細かく分けると浅い順に、クォーター、ハーフ、パラレル、フルの順になります。

そして、僕は基本的にはディープで指導しています。

そもそものスクワットをする目的を考えたら、ディープのほうが効率がいいからです。

 

スクワットをする目的 シャロウ(クォーター) vs ディープ

スクワットをする目的としては
①柔軟性の獲得
②筋肥大
③筋力向上
④間接的なパフォーマンス向上

が考えられます。

①②についてはAthlete Bodyさんの先日の記事にて、
可動域を大きく使ったスクワットのほうが、柔軟性の獲得も大きく、筋肥大の効果も高かったと紹介されています。(他にもディープスクワットの利点が紹介されています。是非ご覧ください!)

筋の長さ(≒柔軟性)の変化↓

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筋断面積(≒筋肉の量)の変化↓

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※図の転載はAthlete Bodyさんより許可をいただいています。

 

続いて、③筋力向上についてです。

Hartmannらの研究で、クォータースクワットを行わせた群(クォーター群)と、ディープスクワットを行わせた群(ディープ群)でそれぞれの筋力の変化をテストしました。
主なテストは
・クォータースクワットの1RM
・ディープスクワットの1RM
※1RM・・・最大挙上重量

その結果、下の図のようになりました。
hartmann-sq

注目すべき点は、

クォーター群では
クォータースクワットの筋力は向上した一方で
ディープスクワットの筋力はほぼ変化がないこと

そして
ディープ群では
可動域全体を通して筋力の向上がみられたこと

ディープスクワットではクォーターの局面を通過しますが、クォータースクワットではディープスクワットの局面はないですもんね。

このように、トレーニング可動域の中での筋力を獲得することを
Joint-angle specificity(関節角度特異性)と言います。

気づいた方もおられるかもしれませんが、クォータースクワットでの筋力の向上は、クォータースクワット群のほうが大きいです。
(クォーター群vsディープ群=38%↑ vs 31%↑)
これは、クォータースクワットのほうが下肢の屈曲角度が小さい分大きな重量を扱えたからと考えられます。

ここで「スポーツ動作はディープスクワットほどしゃがまないから、パフォーマンスの転移はクォーターのほうが大きいんじゃね?」という疑問も沸くかもしれません。

 

そこで④間接的なパフォーマンス向上についてです。

競技に直接影響を与える体力要素の向上も、スクワットをする理由の一つです。

実は上記のHartmannらの研究では、垂直跳びの数値も測定しており、
クォーター群⇒0%
ディープ群⇒7.8%↑
という結果になっています。

このようになった理由としては、上記①②③から考察すると
・柔軟性獲得による、効率的(臀部有意)な動きの習得
・筋長の増加による収縮スピードの向上??
・2か月という短い期間だがディープのほうが筋肥大が起き、それが間接的に作用した
・ディープのほうが総仕事量が多く、カロリー消費が多かったため、無駄な脂肪が減り身体が軽くなった??
・ジャンプ動作はディープまではいかないにしろ、クォーターよりは深いため、下肢深屈曲の筋力も必要
??の項目はだいぶ推測ですが、上記の理由からディープのほうがジャンプ力が向上したのではないでしょうか。

①柔軟性の獲得
②筋肥大
③筋力向上
④間接的なパフォーマンス向上

どの項目においても、ディープスクワットに軍配が上がりますよね。

なので僕はチームでのトレーニング指導では基本的にディープスクワットを用いています。
(細かくいえば、フルではなく、パラレルを用いています。この理由もまたいずれ)

 

しかし、今年、クォータースクワットのほうがジャンプ力を向上させたというデータが発表されました…!

本当はここからが本番のつもりだったのですが、長くなったのでまた今度(笑)

 

今回の内容と似たようなことを、大学、大学院同期のくぼちゃんもブログに書いてます。こちらも合わせてごどうぞ(^^)

参考文献
Hagen Hartmann et al
INFLUENCE OF SQUATTING DEPTH ON JUMPING PERFORMANCE
Journal of Strength and Conditioning Research, 2012, 26(12):3243-3261

 

 

 

 

 

 

 

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