【第141回】1500m走は高強度運動?低~中強度運動?視点を変えれば答えは変わる

先日、ツイッターにて以下のようなアンケートをとりました。

若干『高強度運動』という意見が多かったものの、綺麗に意見が割れました。

僕自身もこのアンケートをとる前には「意見は割れるだろうな~」と思っていたので、予想通りの結果です。

ではなぜ意見が割れてしまったのかを考えていきましょう。

強度ー量ー総負荷の関係

こちらは以前の記事でも紹介したのですが、

・強度

・量

・総負荷

の3つの言葉の定義を明確にしていきましょう。

以下の図を見てください。

『強度』というのはその運動の激しさ(スピ―ドや扱う重りなど)

『量』というのは文字通りその運動を行う量(時間、回数、セット数など)

『総負荷』というは強度と量のかけ算です

例外もありますが、『きつい運動』というのはだいたい『強度がそこそこ高く、総負荷が大きい運動』になります。

全力30m走1本(高強度だが量は少ない)やゆっくりウォーキング1時間(低強度だが量は多い)だと、普段運動を行っている人だとそこまできつくないですよね。

その点でいうと1500mなんてきつい運動の代表格です、なぜなら『強度がそこそこ高く、総負荷が大きい運動』だからです。

「なぜ『強度がそこそこ高く』なの?強度はもっと高いほうがきつくならないの?」と思うかもしれませんが、100m走やウエイトリフティングなど、強度が非常に高い運動は、実施時間が短くなるんですよね。

ある程度量をこなそうと思うと少し強度を落とさざるを得ません。

逆にある程度強度を落として量を行う運動、例えば『8割のスピードでの100m走を20本』や『60%の重さでクリーンを30回』なんてめちゃしんどいですよね。。

1500m走は高強度運動か?スピードベースで考えた場合

強度ー量ー総負荷の関係については理解いただけたかと思います。

次は1500m走が高強度運動か?という問いについてです。

文部科学省の調査によると、17歳の男子の平均値は

50m走:7.35秒

1500m走:372秒(6分12秒)

だそうです。

50m走の平均速度(上記の数値の場合だと時速24.5㎞)と1500m走の平均速度(上記の数値の場合だと時速14.5㎞)を比較すると、1500m走の速度は100m走の速度の59%ということになります。

50m走は加速局面ではスピードに乗り切っていないので、本当の最高速度をとるともっと早くなる=1500mの相対速度(%)はもっと低くなると考えられます。

つまり、1500m走の強度はスピードベースで考えると最大速度の6割以下ということになります。

これは高強度運動とは言えないですよね。

1500m走は高強度運動か?心拍数ベースで考えた場合

お気づきのかたもいらっしゃると思いますが、冒頭からここまでの議論はあくまでもスピードベースで考えた場合です。

次は心拍数ベースで考えるとどうか?という点において考えていきます。

持久的な運動の強度というのは、VO2maxの○○%の速度で~といった感じで、心拍数ベースで決めることも多いですよね。

1500m走を全力で実施した場合、ゴール後の心拍数は最大心拍数近くに達することも報告されており(1)、1500m走は心拍数ベースで考えると非常に高強度な運動とも捉えることができます。

ややこしいので図で視覚的に整理しましょう。

 

このように、スピードに着目して強度を考えた場合(図の左側)だと1500m走は低~中強度になるし

心拍数、持久的な刺激ベースで考えると1500m走は高強度運動ということになります。

なので最初に紹介したアンケートの結果には正解・不正解はありません。

過去に同様の質問を100mスプリンターの方にしたときは「え、1500mなんて全然低強度じゃん。その距離じゃ強度出せないでしょ。」って言われました。

同じ質問をマラソンランナーの方にすると、逆に高強度じゃんって答えるのかなと思います。

これは普段何に着目して運動をしているかの違いなんでしょうね。

まとめ

今回は佐々部の頭の中の疑問をただまとめただけの記事になりました。笑

これを読んで同じく皆さんの頭の中もすっきりしてくれたら嬉しいです!

執筆者:佐々部孝紀(ささべこうき)


前回、僧帽筋下部に関しての記事を書いたらだいぶ整理できたので、引く系の種目でその部位にバチバチに効かせられるようになりました。

やっぱり筋トレは筋肉で3割、頭で3割やるものですね!

(残りの4割は心です)


参考文献

  1. 若吉浩二, 伊藤文子, and 小野桂市. 中距離走 (1500m走)における ピッチとストライドの変化と生理学的パラメーターの関係. スポーツ方法学研 11: 103–111, 1998.

 

 

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