【第16回】傷害予防といえばまずこの2つ。ミスユースとオーバーユース

専門性【☆★★】

前回の記事において、

・体組成の改善

・筋力の向上

・動作の改善

が傷害の予防につながると書きました。

体組成の改善も、筋力の向上も傷害の予防に貢献すると考えられます。
(例:無駄な体脂肪の減少による下肢への余計なストレスの軽減。筋力不足から発生する肉離れの予防。筋力向上によるストップ、減速時の安定性向上。)

 

しかし動作の改善という点が特に傷害予防に対して大きな役割を果たしてるのではないでしょうか。

以前の記事に示した通り、慢性傷害や、ノンコンタクトの急性外傷は、

・ミスユース

・オーバーユース

の2つの原因により発生します。

このどちらかで発生するということはあまりなく、2:8だったり7:3であったり、場合によって寄与率の違いはあれど2つの要因が合わさって発生します。

このミスユースは、トレーニングによる動作の改善によって抑えることができます。

もちろん上にも述べた通り、目に見えたミスユースであったりオーバーユース以外に原因がある場合もありますが(地面・床面、シューズ、部分的な筋機能不全、体組成、等)、ミスユースやオーバーユースがまったくない状態で障害、ノンコンタクト外傷が発生することはあまりありません。

そのため、チームでの傷害予防に取り組むには、このミスユースとオーバーユースへのアプローチがカギとなります。

ミスユースへのアプローチ

代表的なミスユースとしては、
・ニーイン(膝が内側に入る)
・ニーフロント(膝が前に出る)
・円背(猫背)
等が挙げられます。

これらのミスユースにより、以下の図に挙げたような傷害のリスクが増加しすると考えられます。

ミスユース

実際はもう少し複雑で、ニーインが膝蓋腱炎の原因になっていることもありますし、円背姿勢によりニーフロントが起きていることもあります。

またニーフロントの状態では足関節の背屈角度が大きくなっているので、その状態でさらにつま先荷重になってしまうと、発揮しなければならない底屈トルクが大きくなり(ふくらはぎのストレスが大きくなり)、シンスプリント発症のリスクになると考えられます。

これらのミスユースが競技動作中に起こっていると、その繰り返しのストレスによって障害が発生すると考えられます。

でも競技中にこれらの動作を改善するのはなかなか難しいです。
特に球技スポーツなんて、練習、試合中の意識は相手、味方、ボール等に向いていますから。
その中で「よし、膝が内側に入らないように切り返して、ストップの時は円背姿勢にならないようにピタっと」なんて考えられません。

そのため、ミスユースの改善の場として

・アップ

・トレーニング

が活用できます。

ウエイトトレーニングのようなゆっくりな動作では、競技練習に比べて自分の動作に意識を向けられるので改善しやすいです。
きちんと計画されたトレーニングをおこなっているチームであれば週に2~4回、その1回のセッションの中でもスクワット等のCKCトレーニングは何十回と行われるはずです。その中で動作を改善すれば良いんです。

また、アップの中にスクワット系の動作や、ジャンプ系の動作が入っていることもあるでしょう。アップなんてそれこそ毎日行うものだから、その動き1つ1つにこだわって行えばミスユースの改善には大きく貢献するはずです。

これらトレーニング・アップ(相手やボールがない環境)で身体に正しい動作を刷り込ませることによって、ミスユースは改善すると考えられます。

 

オーバーユースへのアプローチ

オーバーユースへはトレーナーの努力だけではどうしようもありません。

何より監督・コーチとの連携が不可欠になります。

選手の疲労度等を考慮し、練習の強度の調節、または個別での負荷量の調節をする必要があります。

ただし、傷害の予防、その手段としてオーバーユースを未然に防ぐ負荷量の調節というのは、あくまで試合に勝つために行われます。

オーバーユースを防ぐためにといって過剰に練習量を落とし、その結果練習不足で負けてしまう…競技スポーツの場合はそうなっては元も子もありません。

時期、個人差、技術・戦術の習得度、そして選手の疲労度、様々なことを考慮し、コーチと話し合ったうえでの練習量の調節が必要です。

また、オーバーユースは監督・コーチ、トレーナーだけの責任なのかというとそうではありません。

オーバー

こう考えたら、選手にもできることはいっぱいありますよね?

練習量が多い→怪我
ではありません。

自分でもできることを考えましょう!

まとめ

傷害の予防のために実施すべきことは

○ミスユースの改善
・トレーニング、アップなど、意識を自分自身に向けられる環境で正しい動作を身体に刷り込ませる

○オーバーユースの改善
・いろいろなことを考慮したうえで、監督、コーチ、トレーナーの話し合いで負荷量を調節
・選手自身の身体のケア

また、他にも筋力の向上、用具の選定、他…であったり、各傷害ごとの予防というものもありますが、基本的にはまず上記2点かなと僕は考えています。

ミスユースについてはもう少し詳しく記事を書けたらと思います!

※本記事は比較的AT目線で書いています。
S&C目線の傷害予防についてはこちら

 

 

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。